上杉鷹山が家督を譲るに当り、藩主の心得として伝授したものが『伝国の辞』です。
短い3文だけのものですが、上杉鷹山が考える藩主像が良く分かり、素晴らしい文です。
伝国の辞
一、国家は先祖より子孫へ伝え候国家にして我私すべき物にはこれなく候
一、人民は国家に属したる人民にして我私すべき物にはこれなく候
一、国家人民のために立たる君にし君のために立たる国家人民にはこれなく候
詳細説明は下記記事に記します。
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一、国家は先祖より子孫へ伝え候国家にして我私すべき物にはこれなく候
現代訳は、『一、国家は先祖から子孫に伝えるところの国家であって、自分で身勝手にしてはならないものです。』というものです。 国家は、今の藩主が作ったものではなく、代々の先祖から受け継がれてきたものだから ...
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一、人民は国家に属したる人民にして我私すべき物にはこれなく候
現代訳は、『人民は国家に属している人民であって、自分で勝手にしてはならないものです』という意味です。思い誤って領民は家来だと考えていた藩主がいたようですが、上杉鷹山は人民はあくまで「国家」に属している ...
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一、国家人民のために立たる君にし君のために立たる国家人民にはこれなく候
現代訳は、『国家と人民のために立てられている君主であって、君主のために立てられている国家や人民ではありません』というものです。 前の2つについて念を押しているものですね。 上杉鷹山は、あくまであなた( ...
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